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府盆地の高燥な扇状地上位面の湿地帯とも類似する特異の地形条件である。生息地にはいたる所から水が染みだしココナッツの木の下にパラワンやカビが植えられている。その下位に通常は水持ちの悪い傾斜地に植えられるカラマンシーの畑がある。pHは土7.26、水7.20で、土壌のCaOは50mg、MgOは1−10mgで低く、Feは1500ppm、Mnは35ppmと高い。
2)Tagbakin Ricefield、Tagbakin、Pola(土壌 (23)・(24)、写真37、図16)
1)Macalalad Swampを標高5mの谷床低地に下ると1〜2mの深さの曲流するクリークがある。この低地の湿地を避け山地斜面の粘土質土壌からなる足場の悪い山裾に沿って作られた道を、250m程湖畔に向けて歩くと、湖畔の水草地がボギーとなり、峠道でも足を取られるほど粘性のあるグライ土壌の元水田の荒地があり、生息地となっている。山地から流れ込む水と、湖面の上下で容易に水位が変化する。標高5m以下であろう。住血吸虫症の患者が出たため水田を放置し荒地化しているが、殺貝剤を散布して再び田にしたいという。クリークの幅は湖畔近くで拡がり、5〜10mの橋が架けられているが、一部破損しており、オーナーの家族に助けられて渡ることができた。オーナーらはカラバオに乗りながらクリーク入ったり、農業・魚捕り等日常生活で水に触れる機会が多い。pHは水で6.75、土で5.41、土壌のCaOは50−100mg、MgO 10−25mgで、Feは2000ppm以上と、1)Macalalad Swampと類似している。
オーナーの家で、朝湖で捕ったばかりのテラピアの各種料理、ミンドロ島で最高の品種の米と収穫しできたばかりのカラマンシーで昼食を頂いた。生活用水は、山頂部でありながら簡易水道が引かれ屋外で自由に水が使用できるほか、屋内の台所の流し・トイレ(シャワー)も利用できた。

 

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図16 Naujan湖東部山地開析谷(Pola)の生息地

 

 

 

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